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妖怪と漁港、ふたつの顔を持つ町
鳥取県境港市は、日本海に面した小さな港町です。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる氏の出身地であり、1993年に誕生した「水木しげるロード」は、JR境港駅から水木しげる記念館までつづく約800メートルの道として全国的な観光地となっています。その一方で、境漁港で水揚げされる紅ズワイガニ(ベニズワイガニ)の水揚げ量は年間8000トンと全国の約6割を占め、日本一を誇ります。観光と漁業、このふたつが重なり合うのが境港という町の個性です。この記事では、町おこしの歩みと、ふるさと納税・通販で境港の紅ズワイガニを選ぶときのポイントをまとめています。
水木しげるロードが生まれるまで
境港市は1989年(平成元年)に各界の著名人の提言を受け、「緑と文化のまちづくり」の一環として商店街に境港市出身の漫画家・水木しげるの代表作に登場する妖怪をモチーフにした銅像を設置する「水木しげるロード」の整備を決めました。
1993年のスタート段階では南側200mだけの部分開業でしたが、やる気のある一部の商店主の協力を得て、できる部分から始め、結果を出すことで周囲を巻き込んでいきました。その後、2003年の水木しげる記念館の開館を機に観光客が増加し、2年連続で300万人を突破するほどの観光地へと成長しました。
行政の財源が尽きてからも、民間が動きました。スポンサーの名前を妖怪ブロンズ像の台座に入れる特典を付け、1体100万円で2005年にスポンサーを全国公募したところ、1年で29体の応募があり、ブロンズ像のなかった150メートルの区間が一気に埋まりました。こうして官民が役割を分担しながら、ロードは少しずつ育てられてきたのです。
2018年7月には大規模なリニューアルにより、バリアフリー化が進み、車道の一方通行化や歩道の拡幅、休憩場所の増設などが行われました。現在のロードは境港駅から水木しげる記念館まで約800メートル続く妖怪の道で、178体の妖怪ブロンズ像が並んでいます。
水木しげるロードを歩く——現地での楽しみ方
ロードの終点に立つ水木しげる記念館は、2024年4月、建て替え工事を経てリニューアルオープンしました。館内には豊富な資料や映像展示が織り交ぜられ、水木しげる先生の人生を追体験できる内容となっています。また企画展示室では、貴重な原画が約半年ごとに内容を変えて展示されます。
開館は9:30〜17:00(最終入場16:30)、年中無休です。専用駐車場はないため、最寄りの日ノ出駐車場や境港駅前駐車場などを利用することになります。入館料などの最新情報は公式サイトでご確認ください。
夜間照明演出では様々な趣向を凝らした妖怪たちの影絵やブロンズ像、樹木のライトアップが日没から22時まで楽しめます。昼間とはまた違う雰囲気があるので、宿泊して夜のロードを歩くのもひとつの選択肢です。
境港周辺に宿をとって、カニ料理と水木しげるロードをあわせて楽しむ旅の計画を立ててみませんか。以下に周辺の宿泊施設をまとめています。
境港へのアクセス
列車を利用する場合、JR境線の米子駅から境港駅まで約45分かかります。水木しげる記念館はJR境港駅から徒歩約10分、米子自動車道・米子ICから車で約40分です。飛行機を利用する場合、米子鬼太郎空港からバスで約34分の「旧NTT前」停留所を下車して徒歩2分というルートもあります。
JR境線では全6種類のラッピングを施した鬼太郎列車が走行中で、各駅にはキャラクターの愛称名が付いており、境港駅は「鬼太郎駅」、米子駅は「ねずみ男駅」という名前で親しまれています。列車に乗る道中から、すでに旅の気分が高まります。
境港の紅ズワイガニとは
水揚げ量の日本一を誇る鳥取県境港では、禁漁期間の7〜8月を除き、獲れたての新鮮で美味しい紅ズワイガニをほぼ一年中楽しむことができます。
紅ズワイガニは水深800m以上の深海に生息しており、茹で上げる前から紅色をしています。身は甘く、ほろほろとほどけるような柔らかな身質で、ズワイガニよりも深海に生息することから、その水圧に耐えるために体内に旨みと水分をたっぷり蓄えます。ただし身が水っぽいため日持ちが悪く、活や生の状態での流通はほとんどしていません。水揚げ後、すぐに港の加工場でボイルされるのが一般的です。
現在はカニの水揚げ量日本一を誇り、紅ズワイガニの加工では全国の8割のシェアを持っています。これほどの規模で水揚げ・加工が行われているからこそ、品質が安定しているとも言えます。
旬については、9月〜翌年6月が漁のシーズンで、11月〜2月の間に旬を迎え、最も美味しくなると言われています。なお、2026年9月には今シーズン初のベニズワイガニが境漁港に水揚げされ、カニシーズンが本番を迎えました。
ふるさと納税・通販で境港の紅ズワイガニを選ぶポイント
実際に境港まで行けない場合でも、ふるさと納税や通販で紅ズワイガニを取り寄せることができます。選ぶときに知っておきたいポイントをいくつか整理しました。
① 姿・剥き身・甲羅盛りの違いを把握する
紅ズワイガニ漁で水揚げされるもののうち、9割が加工用(B級品)になります。残りの1割のみが身入りのよいA級品として姿売り用になり、地元飲食店や鮮魚販売施設で売られます。通販やふるさと納税でも同じ構造になっており、「姿」のカニはそれだけ希少性があります。
- 姿(ボイル):見た目のインパクトがあり、カニ味噌まで丸ごと楽しめます。食卓での存在感は抜群ですが、殻を割る手間がかかります。
- 剥き身(脚肉・爪肉):食べやすく剥き身加工した製品は、食べたい分だけ解凍すれば手間なく食べられます。鍋や雑炊への利用にも向いています。
- 甲羅盛り:カニを1杯丸ごと盛り付けた贅沢な商品で、一つずつ手作業により丁寧に殻から取り出し、カニみそと棒肉を絡めたほぐし身がたっぷりと盛り込まれています。手を汚さず食べられるため、幅広い世代に人気です。
② A級・訳ありの違いを理解する
紅ズワイガニには品質のランクがあります。
- A級:身入りやミソの入りが良く鮮度がいいカニ。足折れは一本以下なので贈答用としても利用できます。
- A級(訳あり):身入りやミソの入りは良いが、ややミソが流れやすく脚が揃っていないため訳あり価格での提供となります。
- B級(訳あり):甲羅が柔らかく身入りは少なめ。足折れが2〜3本あるため自宅用に適しており、価格がお手頃です。
自宅でたっぷり食べたいならB級の訳あり、贈り物や特別な食事ならA級を選ぶのが定番の使い分けです。
③ 禁漁期間と発送時期を確認する
禁漁期間は7〜8月です。この時期は姿ガニが発送できない返礼品も多いため、申し込む前に発送時期を必ず確認してください。冷凍の剥き身や甲羅盛りは年間を通じて発送しているものもあります。商品ごとに条件が異なりますので、最新情報は各ふるさと納税サイトや公式サイトでご確認ください。
④ 冷蔵便と冷凍便の違い
姿ガニはボイル後に冷蔵便で届くものと、冷凍で届くものがあります。ボイル済みのものをご家庭で再冷凍すると水分量が増し、風味や食感が損なわれる可能性があります。できるだけ冷蔵のままお早めに召し上がることが推奨されています。受け取り日のスケジュールを考えて選ぶとよいでしょう。
境港の紅ズワイガニをお取り寄せしてみたい方は、以下の人気商品もご参考にどうぞ。
⑤ ふるさと納税で境港市を応援する
境港市のふるさと納税の寄付金は、全国有数の水揚げ量を誇る「境漁港」の水産業振興や、水木しげるロードを中心とした観光振興など、さまざまな事業に活用されています。返礼品を受け取るだけでなく、漁業と観光の両立を目指す町の取り組みを支えることにもつながります。
まとめ
境港市は、妖怪のまちとして観光客を集めてきた一方で、紅ズワイガニの水揚げ日本一という漁業の実力も持つ、ユニークな港町です。現地を訪れるなら水木しげるロードの夜の演出や2024年にリニューアルした記念館が見どころで、ふるさと納税でカニを選ぶなら姿か剥き身か、A級か訳ありか、発送時期の確認が判断の軸になります。現地の旅と、自宅での食卓と、それぞれの形で境港を楽しんでみてください。
参考にした情報源
- 水木しげるロード公式サイト(境港市観光協会)
- 水木しげる記念館 ご利用案内(公式)
- 水木しげるロード・ガイドマップ(境港観光ガイド)
- 境港市ページ(とっとり移住定住ポータルサイト)
- 鳥取県境港市の地域・お礼品情報(さとふる)
- 今シーズン初のベニズワイガニ水揚げに関するプレスリリース(鳥取県・PR TIMES)
- 水木しげる記念館(とっとり旅 公式観光情報)
アイキャッチ写真:kajikawa/CC BY 3.0(Wikimedia Commons)




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