写真:puffyjet/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
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群馬県高崎市は、全国一のだるまの生産地として知られています。赤くて丸い「高崎だるま」は、お正月の縁起物として各地で見かけます。
この記事では、産地になった経緯と、通販で選ぶときの見方を整理しました。目入れの作法や、役目を終えただるまの納め方、現地を訪ねる時期も紹介します。
高崎だるまの起点とされるのが、市内の少林山達磨寺です。天明の飢饉の後、九代目の東獄和尚が、苦しむ農民の副業になるようにと木型を彫り、張り子だるまの作り方を伝えたと、高崎観光協会が紹介しています。
寺ではもともと、一筆で描いた達磨のお札を正月に配っていました。そこから生まれただるまが、大祭の縁日で売られて評判を呼びます。これが「だるま市」へ発展し、寺は縁起だるま発祥の寺とされています。
作り手の側の歴史も見ておきます。高崎のだるま作りは、旧豊岡村の山縣友五郎が始めたとされます。旧豊岡村が1955年に高崎市と合併するまでの約140年間は、豊岡だるまと呼ばれていました。今の呼び名になったのは、比較的最近のことです。
産地が大きく育った時期については、1859年の横浜港の開港でだるまの生産が盛んになったと伝えられています。
2006年11月に特許庁の地域団体商標に登録され、群馬県ふるさと伝統工芸品にもなっています。特許庁の資料では、権利者は群馬県達磨製造協同組合、対象は「群馬県高崎市及びその周辺地域産のだるま」とされています。
生産量の数字は資料によって幅があります。国立国会図書館のレファレンス記録には、年間約170万個で全国シェア8割とする文献や、年間約90万個を出荷し大半を占めるとする新聞記事が並んでいます。正確な数字は断定せず、「全国で最大級の産地」と捉えておくのが無難です。
高崎だるまの顔には特徴があります。眉が鶴、髭が亀をあらわしているのが最大の特徴とされ、鶴は千年、亀は万年の縁起にちなみます。
胴には福の字が入り、両肩には祈願の言葉が書かれることが多いようです。商売繁昌や家内安全など、縁起の良い文字を書き込むとされます。願いに近い文字を選ぶと、手元に置いたときに目標を思い出しやすくなります。
定番は赤です。赤は開運や厄除け、魔除けの意味もあると言われています。近年は色の種類も増えました。黒は黒字祈願、金色は金運祈願など、色ごとに意味づけがあります。
ただ、色の意味は店や工房によって説明が少しずつ違います。気になる場合は、販売元の説明を読んで、自分が納得できるものを選んでください。
大きさは「号」で表されます。ある工房の商品ページでは、1号が約9cm、10号が約30cm、16号が約58cmと掲載されています。号数ごとの寸法は店によって異なる場合があるため、購入前に高さを確認しておくと安心です。
棚や机の上に置くなら小さめが扱いやすいでしょう。玄関や店先に飾るなら、少し大きめを選ぶ人が多いようです。
通販は、実物を見られない分、確認したい点がいくつかあります。
価格や在庫、納期は変わります。最新情報は各店舗の公式サイトで確認してください。
下の枠には、楽天市場で人気のある高崎だるまを並べています。大きさや色の違いを見比べる材料にしてください。
気になる商品が見つかったら、上の確認点と照らして最終的に選ぶと失敗が少なくなります。
購入時のだるまは、目が白いままです。目を入れることを開眼といい、寺では僧侶が片目に小さく点を入れて祈願するとされています。
一般的には、向かって右側の目から入れます。高崎だるまの販売店は、左目(正面から向かって右側)は物事の始まりの「阿」、右目は終わりの「吽」を表すためだと説明しています。
手順は次のとおりです。
叶わなかった場合について、年の終わりや年度の終わりを区切りにもう片方の目を入れて供養するという考え方もあります。
なお、決まりは一つではありません。選挙では最初に右、当選で左とする例もあるなど、用途や地域で違います。迷ったら、購入店の案内に従うのが確実です。
1年たったら、新しいだるまに替える人が多いようです。少林山達磨寺では、だるま供養を受け付けています。1月15日の供養法要が最も盛大で、その後も年に数回、不定期に行われます。
持ち込む際の注意点が、公式サイトに載っています。受付時間は毎日9時から17時で、袋や箱は持ち帰ります。人形や正月飾りは対象外です。供養料に決まりはありません。通販で買った場合も、納める先は事前に調べておくと安心です。
高崎駅西口の駅前通りで開かれる市です。2026年は1月1日と2日の10時から16時に開催されました。例年この日程で、約50店が集まり、大小さまざまな高崎だるまや干支だるまを販売します。
会場では、絵付けのワークショップなども行われていました。2027年の日程は未確認のため、高崎観光協会などの案内を確認してください。
発祥の寺で開かれる市です。毎年1月6日から7日にかけて行われています。住所は高崎市鼻高町296で、アクセスは高崎駅から車で約10分、またはぐるりんバス少林山線が目安です。
市の期間中は混み合います。バスの時刻や臨時運行の有無は、寺の公式サイトで確認してください。
市の日に合わせられなくても、買う機会はあります。瑞雲閣、達磨堂、だるだる売店では、一年を通して高崎だるまが並びます。
体験を楽しむ方法もあります。達磨寺ではだるま絵付け体験や名入れだるまの申し込みを案内しています。市内の工房にも、自分で目と髭を描く絵付け体験があります。受付状況や料金は、各施設の公式サイトで確認してください。
群馬県には、他にも見どころの多い地域があります。高崎から足を延ばすなら、草津温泉の宿泊の選び方も参考になります。
高崎だるまは、少林山達磨寺で農民の副業として広まった張り子が、産地の土台になりました。通販では産地表記、顔、寸法、届く日を確認すると選びやすくなります。
目入れは向かって右から入れるのが一般的ですが、店や用途で考え方は異なります。時期が合えば、だるま市で実物を見てから選ぶのもよい方法です。
アイキャッチ写真:puffyjet/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)